第500弾




ファミスタ'94

群馬参謀VSスイマー

PartG





















 


7回の表。ナカユウ軍の攻撃。


ラッキーセブンの攻撃にスタンドも大歓声。
















勝負の回だ。この回に打てなければもうクリーンナップには回らない。




とか言ってよぉ、お前ノーヒットじゃねえか。





この試合、群馬参謀は完全にマークされているな。


最初の打席で奈々氏がホームランボールをキャッチしたのがいい例だ。


スイマーの指示が完璧に行き渡っているのだろう。





だったら私が打ちます。




お前、さっきの打席相当ダサかったぜ。もう大丈夫なんだろうな?





もう大丈夫よ。あの子の攻略法を見つけたの。



























2番蒼皇選手、アウトです。監督、いかがでしょうこの試合。




ナカユウ軍の不調が続いていますね。


それだけスイマー軍のピッチャーがいいということかもしれませんが。


ナカユウ軍は何かひとつ、雰囲気を変える場面が欲しい所です。







これから来るわよ。

















打席に立つ2番天王寺舞。











先ほどまでと少し雰囲気が違うな。




ええ、こういうときの舞は怖いですよ。





ピッチャー振りかぶりまして、第一球!





簡単な話だったのよ。要は、変化する前に叩けばいいッ!
















舞「ゆっくぞおおお!閃光覇王拳!」











打ったァッ!






ッ!
















舞の放った打球はフェンスを直撃!


これがゆうゆうツーベースヒットとなる。


ナカユウ軍、この試合で初めて二塁を踏む。











変化する前に叩くなんて、またムチャクチャなことを……デタラメだ。





たとえムチャクチャだろーがデタラメだろーが、


それができちまうからあいつはスゲーんだよ。


あと……あいつもな。





さあ、いい場面がやって参りました。


バッターは……

















「4番……サード……」















「ナカユウ!!」
















群馬参謀! 私を帰さなかったら承知しないわよ!





もちろんだ。





ここでナカユウか……。




群馬参謀対策は完璧です。打たれてもまたキャッチしてやりますよ。

























チャンスを迎えたナカユウ軍。


しかしナカユウは一瞬にしてツーナッシングまで追い込まれる。











ただのカカシですな。




(いや、違う……。こいつ、何かを待っている!


まあ、ツーナッシングなんだ。一球見せ球を投げておけ……)




ランナーを背負った日向、セットポジションから第3球を投げた!





それだッ!




な!?

















ゴ!



ナカユウ、ボール球に手を出したー!




しかし、これは……?




奈々氏、聞こえるか。もう追わんでいい。




見りゃわかりますよ。


















「デタラメだ。」
















ボールは今度こそスタンドへ突き刺さる。


ナカユウの同点ホームラン!











入りました! ナカユウの一発で同点です!




よっしゃあああ! 今度こそ文句なしだ!




あの男……少し球威の抜けるボール球を待っていたのか。




しかしスタンドに入れられるようなコースではなかった。


もはやロングソード連合相手にセオリーなんてものは通用せんな。






こうなるとピッチャーが心配でございます。二者連続で長打を打たれたとなると……




余計な心配をするな。あの目を見ろ。




















一発を受けた日向咲だったが、彼女は決して腐らなかった。


























むしろ闘志を増大させ、一挙にいっしー、ゼネゲル、溝蠍を打ち取り7回表を終了させた。















勢いに乗りたいナカユウ軍でしたが、ここでチェンジです。




一気に逆転して流れを変えたいところでしたが、ピッチャーがうまく立ち直りました。







くそ……なんてメンタルの強さなんだ。





まさかあの場面からさらに球威を増すなんて……





くそっ、さすがはスイマーの見立てた選手だ。













同点に追いついたものの、士気を落とすナカユウ軍。



打たれてなお好投する日向咲を見て誰もが思った。




「この試合、勝てないかもしれない」



スポーツというものは技術もさることながら、メンタル面が大きく左右する。



彼らに一瞬でもそう思わせた日向咲は、むしろ打たれたことによって今まで以上の成果を挙げたと言える。



そして、それはスイマーの策略のひとつでもあった。













同点に追いつかれたこと意外は予定通りだ。我ながらうまくハマったな。





ははあ。そこまで考えていたとは。


さすがはスポーツに精通するスイマー将軍でございます。





見ろ、絶望のふちをさまようあいつらを。もう首の皮一枚といったところか。


あと一押しでプツンと切れる。そうなれば、この試合は終わりだ。










くそう……




こんな奴らが相手で、勝てるのか……




あきらめちゃダメ。あきらめちゃ……でも……




ロングソードに負けなどありえん。


しかし、このままでは……




















「オレたちは、負けちまうのか?」

























その時だった。























突如として、天から声が舞い降りた。



















「ナカユウ君!試合はまだ終わってないよ」




「フフフ、らしくないな。ロングソード連合の諸君」





「以前のおぬし達にはもっと気骨を感じたものだぞ」















その声は・・・ま、まさか!?




ど、どうなってるんだ!?




何事だ!





おおっと!7回裏。ここでナカユウ軍の3選手が会場に到着したようです!




ようやく着いたみたいだな。極秘でナカユウにも伝えていなかった援軍が。




これでもう少し試合が楽しめるだろう。




















それでは紹介いたします!JD殿下の嫁であられる神楽坂ユナ選手です!


JD殿下と九州を旅行中だったようですが急遽、博多から友人を2人連れての参戦です。






ナカユウ君。遅れてごめんね。お友達も連れてきたから頑張ろうね!




あ……あなたがユナさん! お噂は聞いています!





潤。あの女はおまえと同じ苗字だが、知ってるか?





いや、知らないよ。


でもあの後ろ2人は知ってるよ。これは厳しい試合になりそうだね。





(それより、あの女の登場でナカユウ軍の奴らの士気が回復してしまった! あと一歩だったものを)


















続いてアポロン選手です。プレイ日記120弾では驚異的な強さを見せつけました。


手元の資料によりますと、先日、九州のロングソード連合本部と交戦中に


神楽坂ユナ選手が戦いを仲介、その後なんとお友達になって今試合に参戦したとの情報です。


その力は未知数です!










ユナ殿の頼みに参戦したまでのこと。余計な礼などいらん。





アポロンよぉ、オメーがホントに来るとはな。


惚れた女に連れて来られたってのがまた笑えるぜ。





最高幹部か……次に会うときはまた敵同士だぞ。





……こいつがチームに入って、大丈夫か?





大丈夫、お友達になったから!





フン、ついにあのアポロンさまがご登場とはな。まあいい、叩き潰すヤツが増えただけだ。


















そして最後の選手は徳川家康選手です!



プレイ日記117段では正真正銘のラスボスとしてロングソード連合の前に立ちはだかりました。



徳川選手もアポロン選手同様、



神楽坂ユナ選手のお友達の一人として参戦とのことです。



天下を統一したその力を野球でも見せることができるか!?


















……。




……あんたか。




私もアポロンと同じだ。貴様やロングソード連合のことなど知らん。





上等だ。だが来たからには働いてもらうぜ!










ユナさん、アポロン、徳川家康!これは百万の兵に等しいですね!




す、すごい!これならいけるかも!




よし、ピッチャー交代だ! アポロン、頼む。






















マウンドに上がったのは異界の神・アポロン。












現世の競技か。興味深いな……




おい、ルールを知らないのか? あそこに投げるんだ。


とりあえず後藤、受けてやってくれ。





はっ。




ふむ……こうか?

















グワシャアッ!!











アポロンの投げた1球は後藤を貫き、バックネットを破壊。











 


その恐るべき剛球は見るものを驚愕させた。

















なるほど。これで良いのだな?




……いや。あんな風にキャッチャーをふっとばすのはダメだ。


もう少し力をセーブしてくれ。





ち、ちょっと待ってください!あの球を受けるなんて無理ですよ!!(汗)





君ならできる! 頼んだぜ!





なんだ、あのいなし方は。まるでとつおだな。


あんなナカユウは初めて見たぞ。




もともと、あの二人は似ているのだろうな。















7回裏。スイマー軍の攻撃。












防御率0.20と計測されたアポロンの第一球目はなんと
164キロ









コツを掴んだぞ。そこの人間を殺さぬ程度に投げればいいわけだ。


なかなか楽しいじゃないか。




(こ、殺される……)





なんて速さだ……。






4番スイマー! 強敵アポロン相手に打つことができるか!?





人間よ。殺してしまうかもしれんが、加減がわからぬのだ。許せよ。





……。













アポロンの二球目も150キロ後半のストライク。







ツーナッシング! さすがのスイマーも手が出なーい!





よし! アポロンに任せておけば大丈夫そうだ!





三球目か。そろそろ手を出してみたらどうだ?


出せるのなら、の話だが。




そうだな。そうしよう。





な、なんなんだ? スイマーさん、全く動じてないぞ。






スロウちゃんにはわからないかもね。


スイマーちゃんは今……怒ってるよ。





お、怒ってる?





全く、もう少しでナカユウたちの心を折れたというのに。


下らん茶番を用意しやがって……!





















「ひさしぶりに……きれちまったよ……」
















そら、行くぞ!





アポロン、振りかぶって第三球!


















キィィィン!







な、なにっ!?




あの球を、打っただとっ!?




行ったあー! これは間違いありませーん!















打球はそのままスタンドへ。


スイマー、ソロホームランを放つ!













やったああ!




よし! ナイスだスイマー!





まさかあのアポロンからホームランだなんて……。




わははは! これでこそスイマー将軍でございます!




意外だな。打たれたぞ。




スイマー……やはりあの男……




アポロン、お前の敗因はたったひとつだ。





















「てめーはおれを怒らせた」












ち、ちいっ! 人間風情が!




わはは! こいつは痛快だ!




























アポロンは1発こそ浴びたものの、


続く5番ベネット、6番メテオ、7番スロウを打ち取り3アウト。









くそ、当てることすら出来ない。全くスイマーさんはなぜ打てたんだ?





ふっ、あいつは昔からやるときゃやるのさ。


あいつもデタラメなんだよ。






わかった、夢か! 夢なんだな、これは!


だから打てないんだ!





うん、違うと思うぞ。



















2-3


スイマー軍のリードのまま、勝負は8回を迎える。













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