第500弾
ファミスタ'94
群馬参謀VSスイマー
PartI
ファミスタ群馬決戦は、8回の攻防。
スイマーの奇策もあり、同点に追いついたナカユウ軍だったが、
ピッチャーのアポロンが炎上。
スイマーのホームランを含む4安打で一挙4点を追加した。
3-7。
絶望的な状況の中、ナカユウ軍最後の攻撃が始まる。
9回表。ナカユウ軍の攻撃。
決定的だ。
ああ。アポロンを打ち崩して4点差。
この勝負、もうもらったようなものだ。
スイマー将軍、万歳!
確かに、はたから見ればそう思えるかもしれん。
だが、奴らはこの点差で最大の武器を手にしたともいえる。
面白いこと言うネ。このボクが打たれるとでも?
とにかく警戒しろ。
(さすがはスイマー様。この点差でも余裕すら見せないとは。
しかし、これまで何度も取ってきたアウト、あとたったみっつで終わりなのですよ)
アシュラの言ったように、投手戦となったこの勝負で
4点のリードというのはほとんど決定的な数字と言える。
しかし、そのビハインドがナカユウ軍にもたらしたものが一つだけあった。
ここまでの攻撃で得た得点が、3点。
そして現在、わがチームは4点差を付けられている。
決定的だ。
……。
……。
……。
……。
……なんて言う奴は、ここにはいないなッ!?
当然です! この逆境でこそ光るのがロングソード連合!
当然だ! 今こそスイマーをぶちのめす最高の機会じゃねえか!
それは、団結心。
ロングソード連合・最高司令官ガードリーダーは、
過去のプレイ日記が証明している通り
自分を敢えて不利な状況に置くことで心を燃やす男である。
つまり、この状況こそがロングソード連合が一番輝く瞬間でもあるのだ。
彼の魂を継ぐ団員たちの想いが呼応しあい、かつてない力を生みつつあった。
6番ゼネゲル、打ったぁッ!
ほう。まさかアレを打つとはね。
よし、出たぞ! 繋げ溝蠍!
言われなくても、わかってます!
溝蠍もキルバーンの直球をライトに運ぶ。
よおおしっ!
な……!
ヒットです! 連続ヒーット!
キルバーン、まさかの炎上か?
ノーアウト1、2塁です!
代打! ただおさん、頼みます!
任せておけっ!
ほお……。
ハハハ。面白いな。
この点差になってまだあんな顔ができるとは。
隊長の指導の賜物かね?
私は自分の力を信じ、戦っているだけ。
あいつらにそんな指示はしたことはありません。
それでも、奴らは見ていたのだろうな。
ガードリーダーの背中を。
奴らは全員が、ガードリーダーになろうとしている。
だが、奴らはガードリーダーではない!
ガードリーダーにもなれもしない!
抑えろ、キル!
うおおおっ!
やったぜ、ただお!
あーっと! またヒットです!
代打のただお選手のヒットで、満塁!
ノーアウト満塁ー!
そ、そんなバカな。
さすがは福岡で名高いガードリーダーの忠臣たちよ。
最後の悪あがきというやつですな。
しかし、次はあの人です。
迎えるバッターは9番、最高幹部とつお。
フフフ。茶番はこの辺でおひらきにさせてもらうよ。
キルバーンよぉ、まだわかんねーのか?
「お前の負けだ。」
打ったぁーー! 9番とつお、ヒットです!
この間にゼネゲル、溝蠍が生還!
ナカユウ軍、怒涛の追撃です!
全員、凄まじいオーラです。
これはまだわかりません。
キルバーンの弱点を完全に読んでいたとつお。
タイムリーヒットで5-7。
よおおおし!
大和、いけるか?
大丈夫です。俺も……打ちますよ。
や、大和くん、大丈夫? 血が出てるけど。
俺だって、ロングソード連合の一員なんです。
……!
しかし大和は外野に打ち上げてアウト。
直後、その場に倒れた。
さっきの打席で消耗した大和は、とうに限界を超えていた。
フ、フフ。脅かすねぇ。
やっぱり限界だったんじゃないか……。無茶しやがって。
へ、へへ……男の意地って奴ですよ。
同点になったら呼んでください。それまでは休みます。
問題ない。そうなれば俺が守るよ。
(よくやった、大和)
くだらんな。とにかくこれでワンナウト。
奴らの集中は切った。キルバーンも落ち着いただろう。
スイマーの読みどおり、キルバーンは復調し2番ユナを三振に切って落とす。
迎えるは、3番天王寺舞。
最後は君か。助かるネ。これで終わりだよ。
さっさと投げなさい。
あんたを今回の敗戦投手、それも戦犯にしてあげるから。
ム、ムム……!
いい気になるなよ……!
い、いかん。乗せられるなキル!
天王寺舞、華麗なる流し打ちでヒット。
ただおが生還し、1点を追加。
6-7。ついにスイマー軍を目前に捕らえる。
な、なんということでしょう。
とうとう1点差です。
こういうことがあるから、野球は面白いのです。
この場面で、最後に登場するのは。
頼みますよ。
アウトだけは、許さんからな!
もはや私の出る幕ではありませんね。
信じてるわよ。
ここまで来たんです。豪快な奴が見たいですね?
お膳立ては済んだぜ。あとはお前の仕事だ。
「4番……サード……」
「ナカユウ!」
お聞きください、この大歓声。
ツーアウトではありますが1点差、1、2塁の場面で、4番ナカユウの登場です。
正真正銘、これが最後の打席でしょう。
打つ。それ以外はない!
ぐ……ヌヌ……!
ちいっ、この役立たずが。
スイマー、敬遠するぞ。
待て。ナカユウは抑える。
それでこそこの決戦の意味がある。
なっ! ここは満塁策を取ればよかろう!
今のキルバーンではもう抑えられん!
忘れたかアシュラ。
奴らには常識やセオリーなんてものは通用しない。
だからこそお前も過去に敗北したのだよ。
ここでやるしかないのだ。
審判、ピッチャー交代だ。
スイマー軍、抑えのキルバーン選手を降ろします。
お、おい。まさかここで俺に投げろって言うわけじゃないよな。
安心してくれ。別のピッチャーだ。
スイマー軍のマウンドに上がったのは……。
ナカユウ「なに!?」
まさかこんなことが……。
スイマー軍最後のピッチャーは、
スイマー選手です!
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