ストリートファイター2N 波動伝

あとがき


まず言わせていただきたい。
最後まで読んでくれた人たち、本当にありがとう。
この話、文庫本1、5冊ぶんはあるんですよ。
(400ページくらいです)
読むにもかなりパワーを使ったはずだと思います。
だからこそ感謝したいと思っております。

この物語は、
ガキの頃からなんとなく思い描いていた
スト2のストーリーを小説化したものです。
もちろんそれだけではなく、
細かい話を作るのにはとても苦労しましたが、
根幹はほぼ、そのままです。

書く上で自分にいくつか条件を課していたのですが、
それも含め、構想を完走させられてよかったなーと思います。


さて、ゴウキ=ゴウケンとの戦いも終わり、
リュウの旅はひとまず完結を迎えましたが、少し不安もあります。
作品の解釈は読者が感じたままであるべきだと思いますので、
こういった場で作品の解説をするのは
個人的に反則だと思っているのですが、
いくつかどうしても伝えておきたいことがありますので書きます。

作中の表現を借りるならば、
「少しは言葉にしておく必要も感じたので、ここに書いておくことに」します。

まずひとつめが、終わり方について。
この終わり方で、納得できましたか?
とくに、シャドルーの総帥ベガとの戦いは、
かなりあっさりしていますし、
最後もすっと読み終えることができるように書いたのですが、
少し話が薄すぎないか? と思ったりもするわけ。

個人的には描ききったと思っているのですが、
最終話などは言いたいことがきちんと伝わったのか心配です。

もし伝わらなかった場合は……力不足かな。
うん、文章についてははっきりいって才能ないよね。
みんな言わないけどわかるよ。サガット編とかひどいもんね。


それと、最終話の回想に出てこなかった二人について。
これにも訳があります。
まずブランカ(ジミー)ですが、
彼は最後の「ワールド・ウォリア」にも出場しませんでした。
なぜかと言うと、
もうキャラクターそのものの話が完結してしまっていたからです。
本当は出した方が展開的にはいいのでしょうが
(現に構想段階では出すつもりでいた)、
ジミーの話をかき終えた後、
「もう、こいつは何があっても大丈夫だな」と思ってしまったのです。

話自体もいい余韻を残していたので、
どうしてもそれを壊したくない! 
と10話を書いている時に思いはじめて、
結局こうしました。

ジミーの再登場を楽しみにしていた人がいたら、申し訳ないなぁと思います。

それと、バルログ。
みんな、きっと俺がバルログ嫌いだと思ってるだろうけれど、
そんなことはないんです。

本当は第5話あたりに登場させる予定でした。
ケンがバイソンと戦う話がありますが、
あの流れで、当初ケンはバルログとも戦う予定だったのです。

その時考えていたのが、
旅をしているケンがスペインで美女に出会い恋に落ちるのだけど、
それがバルログの妹で、
怒ったバルログがケンに決闘を申し込むという話だったのですが……

それと同じようなシチュエーションの話が、
「ストリートファイター2V」にあったのでした。

バルログが春麗に惚れこみ、
ケンと決闘するという話だったのですが、
作画や構成もかなりよく、
「V」の中でも1、2を争う名バトルだった上、
戦う場所もうまくバルログステージを再現しきっていて、
これじゃ同じ話になっちまうよ!! と思って没に。

ガイル編での登場に深みを持たせるつもりが、
こんな形になってしまいました。
つまり、最初はケンもストーリーの軸に乗せて進めようと思っていたわけです。
バイソンがリュウケン二人と戦う形になったのは、その名残です。


とまあ、他にもケンやガイル、春麗に殺意の波動≠ェ発現しない理由ですとか、
真空波動≠練るための条件だとか、
第9話における文体の変化など色々あるにはあるのですが
説明が必要だなと感じるのはこんなところです。
ほかは、波動≠感じて理解してもらいたいなと。

それと、もちろんみなさんわかっておられると思いますが、
この物語は公式ストーリーをかなりアレンジしております。
(まあ、まだZERO2が稼動していた頃に思い描いたものなので、当然ではあるのですが)
ケンの父親が死んだとか、ゴウケンとベガが修行仲間だったとか、
真空波動≠ニか、ああいう設定は全て創作ですのでご注意下さい。
ゴウキも、本当はゴウケンの弟という設定です。


ちなみに、俺が個人的に一番気に入っている話は、リュウとケンが再会して戦う第7話です。
次がリュウケンが本田と修行する第9話。

あの、リュウが真空波動≠ノ目覚めるシーンが書きたくて
この小説を始めたと言っても過言じゃありません
それにリュウケンの友情話も書いていて楽しかった。


みなさんも、面白かった話や感動したシーン、
またよくわからなかった場面などあれば、
後学のためどうか教えてください。
さりげに多い誤字脱字なんかも、できたらご報告を…(笑)。


最後に、この作品を書くにあたって影響を受けた楽曲を紹介します。


・「READY TO FIGHT」
この曲はスト2のエンディングテーマとしてもともと有名ですが、
アレンジがなされたボーカルバージョンが存在します。
こちらを聞いていて、色々な影響を受けました。
最後の青空の下でファイト! みたいな雰囲気がいい。


・本田修司「今、明日のために」
「スト2V」の後期オープニングテーマ。
知る人ぞ知る名曲。
歌詞の内容がとてもよく、
かいつまむと「負けてもいいから、とにかく前へと突き進め!」という感じです。
これほど、「ストリートファイター2」という作品のことをうまく表現した曲は他にないでしょう!
この曲聞きたさにCDを中古ショップで探し、
本田修司さんのアルバムを2枚購入してしまった上、
とうとう最終話のタイトルにまでしてしまいました。
話のラスト、キャラクター全員が前を向いて進む、という雰囲気で締まっているのも
この曲の存在あってこそでしょう。


こんなところで。
長編でしたが、最後までお付き合い頂きどうもありがとうございました!

今後小説を掲載することがあれば、また読んでいただけると幸いです。

nky