第500弾
ファミスタ'94
群馬参謀VSスイマー
Part⑥
いよいよプレイボールです。本日は解説に青葉学院監督をお呼びいたしました。
よろしくお願いします。
どうぞ、よろしく。
各チームのオーダーが発表されました。監督、どうでしょう。この両チームを見られての印象は？
ナカユウ軍は非常にバランスがいいですね。一方、スイマー軍もソフトボール選手を中心にいいプレイヤーを多く集めた印象です。
非常に見ごたえのある試合になるのではないでしょうか。
ありがとうございます。先攻はナカユウ軍から。世紀の一戦が始まります！
審判の掛け声のもと、ついに試合が始まった。
１回の表、ナカユウ軍の攻撃。
さあ、最初の攻撃だ！
ナカユウよう。何か作戦はあんのか？ありません。とにかく打って、得点して勝つ。それだけです。（こいつ、ほんとに熱くなると後先考えねーのな）
（人のこと言えませんよ、最高幹部）
相手の先発はNANAか。まずは様子見して、どんなピッチャーなのか見極めよう。
こうして始まったファミスタ群馬決戦。
先発の神崎七海は、真の強化人間としての力からはまだまだほど遠いながらも
本来の身体能力の高さを発揮し１番大和、２番ゲイツを凡退。
直球は大したことありませんが、スライダーで芯を外されました。技巧派の印象です。どうやら本当の力を出せていないようだな。天王寺、一発かましてやれ！
言われなくてもそのつもりよ。
バッターは３番、天王寺舞。
バッターボックスには天王寺。一発を持っている選手です。オーラがありますね。さあ、こいッ！
・・・
あわやホームランかと思われた打球はファールの判定。
天王寺はこれを取り返せず結局三振に倒れる。
一回の表は無得点に終わった。
くっ、少し力んだか。うーむ。神崎七海自体はそれほど大したことはないが、うまく打たされたという感じだな。アシュラのやつめ、大したリードだ。
ふっ、くだらん遊びだな。１回の裏、スイマー軍の攻撃。
ナカユウ軍の先発はML。
そして迎えるスイマー軍１番は奈々氏の嫁、坂上智代である。
あいつはタダモンじゃねえ。MLさんよ、打たれてくれるなよ。
わかっていますよ。
過去のファミスタ決戦でも活躍を見せていた実力者、ML。
その球威、投球術は凄まじかった。
１番の坂上智代を三振に切って抑えると
２番の奈々氏、そしてあのアシュラにすら手を出させずスリーアウト。
あちらも技巧派のようですね。
とりあえずは、流石というべきか。だが打てない相手じゃない。なあアシュラ？フン、次はホームランよ。２回の表、ナカユウ軍の攻撃。
ここで４番ナカユウが初打席を迎えた。
（とにかく、1点だ……！ 甘い球が来れば打てないピッチャーじゃない）（どうやらコンディションは万全のようだな。NANAでは荷が重いか？）ピッチャー、振りかぶって第一球！来たッ！
ガ！！
打った～ぁ！！ これは大きい！
よおおし！ これは間違いないぜ！まずは一点ね！いえ、まだですッ！打球はスタンドに一直線に向かう。
しかし、フェンスを乗り越える影がひとつ！
バッ！！
--忘れてもらっちゃ困りますよ。今回のゲームは私たちが相手なんです。
なにッ！？あのヤロー、あの打球を取りやがった！
ナイスだ、奈々氏さん！あの二人を味方につけておいて正解だったな。し、信じられません。完全にホームランの打球を取ってしまいました。4番ナカユウ、アウトです。
奈々氏の大ファインプレーで勢いにのったスイマー軍。
続くいっしー、ゼネゲルを抑え２回もナカユウ軍は０点に終わった。
２回の裏。スイマー軍の攻撃。
こちらも大きなチャンスを迎える。
４番、スイマーの打席。
チームは勢いに乗っている。ここではずみをつけておきたいところだ。打たせるわけにはいきませんね。MLさん。あんたとは一度、本気で勝負したいと思っていたよ。ピッチャーML、振りかぶって第一球！（……）
しかし、意外にもスイマーはこの打席、三球三振に終わる。
やった、スイマーを三振だ！ さすがはMLさんだ！いえ、待ってくださいゼネゲルさん。スイマーはあえて三振したように見えました。
バカ言え。この真剣勝負にそんなことをするわけがなかろう。それを平気でやるから怖いんですよ、あの男は。……これで、よかったか？
ベネット「ああ、これで契約成立だ。」
バッターは5番、ベネットです。リジュ、あのベネットってやつはお前が連れてきた選手だったな。どんなやつなんだ？
はい。彼は相当にロングソード連合に恨みをもつプレイヤーのようでしてね。それで連れてまいりました。
かなりの金銭を要求されましたが、プレイヤーとしての実力は本物でございます。
それにしてもおかしな男だ。自分に見せ場を作るためとは言え、俺に三振を要求するとはな。
これがチーム戦だということがわかっているのか？
それだけ自信があるということでしょう。
へっへっへ、ひさしぶりだな、ナカユウ。てめえにロングソード連合を追い出されてから、ずっと復讐を思い続けてきた。
ようやくその日がやってきた。長かったぜーっ！
ベネット……まさかお前が生きかえるとはな。
確かあいつは、コサックス対戦の頃にお前の下についていた者だったな。そうです。しかしこいつは凶悪すぎた……。金のためなら仲間殺しも喜んでやるクズ野郎です。
とつおさんに頼んで処刑してもらったはずなのですが……。
おそらく生き返ったところをスイマーに金を積まれて雇われたのでしょう。
10万ドル、ポンとくれたよ。こりゃまた、めんどくせーのが出てきたな。この試合が終わったら、また蒸気抜きさせてやるぜ。
と、とつお！ 野郎、てめーなんて怖くねえ！球場でナイフを出すんじゃない。バッターボックスに立つベネット。
ＭＬの第一球であった。
なにッ！？
ナカユウ「そんな馬鹿な・・」
ベネットの一振りは１６２ｍの大ホームラン！
ベネット選手の大ホームラン！スイマー軍が先制です！！いやぁ～、飛びましたね。本物のタマを使いたかったぜぇ。とりあえずこれで我慢してやるがな！ヒャハハッ！ちっ、なんてこった……凄いじゃないか。三振に終わっていたら死んでいたけれどな。貴重な選手を殺さんでください。
だがＭＬもこの１発では腐らない。続く６番メテオをきっちり抑えて２回裏終了。
しかしスイマー軍は貴重な先取点をもぎ取った。
３回表。スイマー軍の攻撃。
あのナナってピッチャー、もうバテてますね。チャンスかもしれません。
やはり人体改造なんて無理があるということだな。チャンスだと思いたいところだが、当然ここで投手を変えてくるだろう。
当たり前だ。
早くもスタミナ切れの神崎七海に代わりスイマーは２番手町田多恵を投入。
ここで町田多恵選手に交代です。監督いかがでしょうか？町田選手はソフトボール選手ですがプレイ日記５７弾ではプロ野球選手を相手にしても十分に通用していました。
期待できると思います。
うむ、敵ながらいい人選だ。
町田多恵のピッチングを前に７番の溝蠍は三振。
続く８番木村理恵もあっさりアウト。
くそ、なんとかして出たかった……今度のピッチャーは速球派のようです。
ぜ、ぜんぜんダメです……球が見えません！
理恵よ、それでもせめてバットくらい振れ。殿下、オレに任せてください！9番ＭＬは四球を選び、打順一巡。
打席には1番の大和が立つ。
ようし、なんとかここで返して逆転だ！相手はソフトボールのピッチャーだから、少し球が上向くはず。よく球をみて振りぬくんだ！
しかし町田多恵は、ブレながら打者の手前で跳ね上がるという
魔球『多恵ボール』を完成していた。
１番大和も当てるのが精一杯でバッターアウト。攻撃は０点に終わった。
ダメだ……こんな球、誰にも打てない！！予想以上のライズボールだ……ありゃ、オリンピックものだぞ
３回の裏。スイマー軍の攻撃。
ここまで好投していたＭＬであったが、
突如としてコントロールを乱し始める。
どうしたんだ……？ さっきから手の震えが止まらない。（へへへ、お前が先発すると聞いて、こっそりクスリを盛ってやったんだ。ようやく効いてきたようだな）とにかく、投げるしかないっ！
あっ、絶好球！
打ったぁーッ！ これも大きい！
ML、まさかの被弾。
点差が開き2-0となる。
ベネットさん……あなた、私のクスリを使いましたね？知らねえよ、へへへ。外道め……。いいでしょう、今はスイマー様には言いません。死ぬのは終わってからにしてもらいます。
へっへっへ、そうだよ。死ぬのは終わってから……って、えっ？ 今なんて言った？
……。MLは謎の不調により降板となった。
予想外の事態にナカユウ軍に混乱が走る。
そんな中、ナカユウ軍のベンチで一人試合を冷静に分析している男がいた。
そして、彼がついに動いた。
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